お知らせ

イベント情報

「パークライフカフェ キタキツネ これまでをふりかえりこれからを考える」を開催しました

2025年03月30日

3月26日、「パークライフカフェ キタキツネ これまでをふりかえりこれからを考える」を開催しました。

月寒公園では2019年より、北海道大学CoSTEPと協働でキツネの生息状況調査とエキノコックス駆虫薬入りのベイト散布を行っています。そして、これらの取り組みを報告し、野生動物と人間の共生について考える場「パークライフカフェ キタキツネ」を定期的に開催してきました。

取り組みを始めて5年、今回はこれまでの活動をふりかえり、これからを考える会として開催し、定員を超える26名に参加して頂きました。

まずはキツネの研究者である池田貴子先生(北海道大学CoSTEP)より、キツネの基本的な知識や5年間の調査で分かったことをお話して頂きました。

参加者から事前に頂いていた質問でも、エキノコックス症に関するものがいくつかありました。
エキノコックスの生活サイクルやなぜ人に移るのか?というお話から、
「キツネ以外に犬も野ネズミを食べるとエキノコックスに感染する可能性があるので、放し飼いはダメですよ」と言ったお話まで、色々お聞きしました。
エキノコックス症は、感染してから発症まで数年~20年かかると言われていること、エキノコックス症の予防には、日頃から遊んだ後の手洗いなど個人でできる予防が大切だ、ということを教えてもらいました。そして、月寒公園では試験的にベイトを散布していて、これは個人の予防にプラスした取り組みとして一定の効果が出ていることも分かりました。

その後、月寒公園のキツネの取り組みに、様々な立場から関わる3人が登場し、「5年間の成果」と「なんとかしたいこと・私の次の一歩」という2つのテーマでお話してもらいました。

1人目は月寒公園のスタッフ。5年間の成果としては、「適切な情報提供ができるようになった・北大との連携により多様な普及啓発が出来ていてたくさんの人に知ってもらえた」「ベイト散布により、一定の安心感が得られるようになった」という話がありました。

2人目は、小学生のころから月寒公園で生きものを調査し、パークライフカフェにも全部参加してくれている高校生、大黒さんです。5年間の成果としては、「生物多様性が向上していること」を挙げてくれて、アライグマとキツネの足跡がどこにあったか、などスライドを使って報告してくれました。

3人目は、月寒公園市民協議会や近隣町内会会長として等様々な立場で公園とかかわりを持っている吉田さん。吉田さんからは「パークライフカフェに参加してキタキツネを怖がらなくなりました。キツネに向き合う余裕ができました」というお話がありました。

パークライフカフェに全部参加してくれている高校生、大黒さんのお話

「なんとかしたいこと」「私の次の一歩」については、

公園スタッフは、「それぞれに野生動物のことを考える機会を続けていきたい、そのために公園だけでなく市民協議会や高校などと連携して、みんなの取り組みにしていきたい」という話がありました。

大黒さんからは「餌づけや子ぎつねを撮影するカメラマンなど人の行動が野生動物の行動を変えている部分もあるので利用者のマナーを何とかしたい。そのためにキツネへの接し方を公共マナーにできないか」とお話がありました。

吉田さんからは「キタキツネ=エキノコックス、かわいくても侮れない。そして月寒公園から地域にキツネが行動範囲を広げていることが心配なので、地域が公園に協力してできることをやっていきたい」というお話がありました。

月寒公園市民協議会や近隣町内会会長、吉田さんからのお話

これらの話を受けて、テーブルごとに参加者同士で感想を共有したり、人と野生動物の距離感について、話し合いました。

距離感については、テーブルを囲む人それぞれに、意見も様々でしたが、話し合うことで、なんとなく「程よい距離」を見つけることができたようです。

そして参加者それぞれに、「私がすること・しないこと」を書いてもらいました。
「絶対に餌づけはしない」「距離感がある写真を良いと思う風潮になると良い」「自分からキツネと距離を放す」「キツネと目を合わせてみる」など、印象に残るメッセージが集まりました。

「人と野生動物はどの位の距離感が良い?」というお題で盛り上がりました!

最後に池田先生から、「野生動物の研究は、生態学や獣医学など動物自体に焦点を当てる学問だけではなく、近年では、個人や社会の意識や行動、人間がリスクをどのように捉えるかなど社会的側面に着目して、野生動物管理に活かそうとする実践的な学問がある。」というお話がありました。

月寒公園のような都市公園の野生動物問題は、人の行動や意識と深く関わり合っており、パークライフカフェのような場で、それぞれの考えを共有し話し合うことは、まさにこのような学問と通じていることが分かりました。

キツネの会はこれで一区切りとなりますが、これからも野生動物との関わり等公園の課題を考える場として、パークライフカフェは続けていきます。時に答えが明確でないこともあるけど、それぞれの考えを知り合い、受容性を高めることは、みんなが気持ちよく過ごせる公園づくりにつながるように思います。

参加してくれた皆さま、ファシリテーターの宮本さん、池田先生、ありがとうございました。

「私がすること・しないこと」のメッセージ

カレンダー

«3月»
      1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31      

アーカイブ

ブログ内検索

札幌市の他公園情報

サイト内検索

吉田川公園のページへ

プレーパークさっぽろのページへ

採用情報へ

さっぽろ公園だよりWeb版(イベント情報)